近代美術館のあとで、クリムトを想う
2026/01/24 00:04:36|コメント:0件
今日はお休みをいただいて、東京国立近代美術館の企画展へ行ってきました。
現代アートに詳しいわけではないのですが、
《アンチ・アクション――彼女たち、それぞれの応答と挑戦》というテーマに惹かれて。
……が、正直なところ、企画展はあまりピンと来ず。笑
その流れで常設展も軽く覗いてみたら、こちらの方にむしろ好みの作品が多くありました。
川端龍子の『草炎』。
そして、特に心を掴まれたのが、
原田直次郎の『騎龍観音』。
どこか既視感があるな、としばらく考えていて思い当たったのが、
アルフォンス・ミュシャ晩年の「スラヴ叙事詩」。
ミュシャは日本でも人気の高い画家で、私も昔から好きです。
華やかな装飾性で知られるパリ時代から一転し、晩年には歴史的主題や物語性、写実性を重視した表現へと向かいました。
「スラヴ叙事詩」は、写実的な人物描写を軸にしつつ、象徴主義的要素や装飾的・点描的な効果、そして演劇的でドラマチックな光の表現が混在しています。
……そんなふうに、たくさんの絵画に触れ、想いを馳せた一日でした。
あなたは、好きな画家や芸術作品はありますか?
私の不動の3トップは
・グスタフ・クリムト
・サンドロ・ボッティチェッリ
・ギュスターヴ・モロー
次点で、上述のミュシャや、カラヴァッジョ、エル・グレコも好きです。
ドラマチックで、
リアルな細密描写と様式美が溶け合った作品に惹かれます。
日本画では、同じ理由で琳派が好き。
川端龍子も、しっかりその系譜に連なる存在だと思います。
数多くの美術作品を観てきましたが、
実物を前にしたときの衝撃という意味では、
クリムトの『接吻』がやはり圧倒的でした。
そして、クリムト作品でもう一つ心惹かれるのが『ユディト I』。
『ユディト I』は、旧約聖書のヒロインであるユディト[*1]と、サロメ[*2]のイメージが複合的に表現された
「ファム・ファタル(運命の女)」の代表作と評されています。
「ファム・ファタル」は、
19世紀中盤のフランス文学において
男性側の不安や欲望の投影として現れ、
やがてヨーロッパ全土へ広がり、
クリムトの生きた世紀末ウィーンで
最も濃密に、そして露骨に花開きました。
美しく、
怖く、
忘れられない女性。
――あなたのファム・ファタルに、
逢いに来ませんか??
真由子
[*1]
ユディト:旧約聖書外典で語られる物語の主人公。
敵将ホロフェルネスを誘惑し、その首を切り落とすことで故郷の町を救った、敬虔で知性あるユダヤの未亡人。
[*2]
サロメ:新約聖書に登場する女性。
母に唆され、洗礼者ヨハネの首を褒美として求めたことで知られる。

